家づくりの知識

2023.05.20

【注文住宅で後悔した実例23選!】失敗したポイントや対策を解説

注文住宅の後悔事例

家づくりは一生に一度かもしれない大きな買い物。だからこそ、後悔のない納得のいく住まいを実現させたいですよね。

しかし、メーカー担当者と打ち合わせを何度もしても、実際に住んでみると不満がでてくるケースは多いものです。

注文住宅の購入で85%の方が「何かしらの後悔」があると言います。特に間取りや費用面など、住まいづくりに不可欠な項目での不満は少なくありません。

引用:住宅購入で後悔したことランキング|マイナビニュース

「こんなはずでは…」と後悔しないためにも、今まで家を建てた方の失敗を教訓として活かすことが大切です。そこで今回の記事は、すでに注文住宅で家づくりをした方々の前例を交えながら、後悔しない家づくりのポイントを詳しく解説します。ぜひ、最後まで読んでみてください。

注文住宅の後悔ポイント1:【業者選び】

注文住宅の引き渡しのイメージ

家を建てる際には、どのハウスメーカーや工務店に依頼するかが重要です。また担当者によっても、経験や知識は異なります。経験や知識が浅い業者の場合、例えば以下のような後悔が起こり得るでしょう。

・希望がなかなか伝わらず、間取りや設計に誤解があった
・担当者の知識や経験不足で、予算の見込みが外れた
・担当者と信頼関係を築けず、遠慮して希望を伝えられなかった

担当者とのコミュニケーション時には、言葉だけでなく写真や画像、間取り図などを参考資料として見せると、より具体的にご希望内容が伝わります。

予算オーバーしないためには、豊富な経験や実績に裏付けされた業者を選ぶこともポイントです。施工内容だけでなく、資産計画もまとめて一緒に考えてくれる業者なら、優先順位をつけて効率的なマイホーム計画が実現しやすくなります。

担当者がお世話になった人や知り合いの場合、今後の関係性を考えて、担当者を変えにくいケースもあります。妥協しないためにも、信頼関係をしっかり構築できる業者を選ぶことが大切です。

注文住宅の後悔ポイント2:【見積&費用】

注文住宅の資金計画

注文住宅の見積や費用に関する、後悔ポイントをご紹介します。

見積

ハウスメーカーや工務店によって、サービス内容や施工技術、かかる費用などは異なります。見積は複数の会社で行い、比較検討してください。

展示会や見学会で気に入ったからといって、最初から1社だけに絞って契約を進めると、後でもっと良い条件の業者があった際に後悔しかねません。最低でも2~3社は相見積し、希望に一番マッチする会社を選びましょう。

ただし、複数のメーカーで相見積しても、内容をよく確認しないと予算オーバーする可能性があります。

一番安い業者に依頼したのに、オプションや付帯工事が必要なシステムになっており、結果的に予定よりも費用がかかってしまった。

このような後悔を避けるためにも、予算の総額だけでなく、見積にどこまで入っているか、内容まで細かくチェックしましょう。

家づくりには土地代や建物代だけでなく、印紙代や手数料、地鎮祭・棟上げ費用など様々です。ハウスメーカーや工務店が紹介する土地を選べば仲介手数料が不要だったのに、急いで先に土地を買ってしまって結果的に予算オーバーになった例もあります。

土地や家の購入費だけでなく、必要になる諸費用について事前に洗い出したうえで、余裕のある資金を用意すれば、予期せぬ出費が生じた際にもカバーできるでしょう。

毎月の支払い

家は建てて終わりではなく、定期的なメンテナンスが必要です。例えば屋根と外壁は10〜12年程度、トイレやお風呂などの水回りは20年程度がサイクルと言われます。こだわりの素材や設備を採用すると、修繕費用が予想以上にかかる場合があるため、長期的なスパンで設備や素材などを選びましょう


住宅費用でローンを組む場合、金利の選択には注意です。変動金利は現時点での金利が低い場合、月々の返済額も少なくて済みますが、今後金利が上昇した際に返済できなくなるリスクもあります。

色々な金融機関や金融商品を比較検討しなければ、それぞれの金利の相場も比較できません。家を建てる前からローンについて学んで、ご自身のライフプランに合った返済方法を選びましょう。

注文住宅の後悔ポイント3:【土地&環境】

土地の探し方

注文住宅の土地や環境に関する、後悔ポイントをご紹介します。

土地

土地は探そうと思えば無数にあるため、土地探しにこだわりすぎると、なかなか家づくりまで進みません。また良い立地は人気があるため、必然的に競争率も高くなります。ある程度のスピード感をもって、決断を下す意思が大切です。

注文住宅のデザインや間取りなどによっては、土地選びより先に建てたい家を決めた方が、効率的に進む場合もあるでしょう。ハウスメーカーや工務店によっては土地選びからサポートしてくれる場合もあります。土地探しもまとめてお願いしたい方は相談してみましょう。

いつまでも土地を探すことにこだわりすぎると、たとえ希望にマッチした土地があっても、結局は広さの分だけ費用が嵩んで予算オーバーになりかねません。完璧な土地を求めるよりも、優先順位を7〜8割程度満たす土地を選んだ方が賢い選択でしょう。

地盤調査をする際には、改良工事や造成工事など、調査後に予想外の費用がかかる可能性にも注意です。ギリギリで予算を回している場合、予想外の事態で兼ね合いがうまくいかなくなると、住宅本体に予算を回せなくなります。

ハウスメーカーや工務店で、建築費用の見積もりを行う場合は、建築費用や付帯工事費用、諸費用の費用内訳を考慮したうえで、土地購入を進めましょう

注文住宅の家づくりの具体的な流れは、下記の記事でご紹介しています。併せてぜひ、ご参考になさってください。

環境

入居後に環境面で後悔しないためには、ハウスメーカーが住環境に対してどの程度対応できるかあらかじめ確認が必要です。

例えば窓から入る夏の日差しが眩しくて暑い場合は、日除けのため庇やシェードを設けると良いでしょう。また方角による採光を建築段階から考慮し、西側への大きな窓の設置を避けるのも1つの方法です。

風通しの悪さは、部屋の開口部に対面する位置に窓を設けて、風の入り口と出口を確保すると回避できます。またトイレやリビング階段の生活音は、間取りを工夫することで軽減できるかもしれません。

住環境に関して間取りやプランにどの程度 工夫を凝らせるのか、いつまで変更を加えられるのかなどはハウスメーカーによって異なります。本契約前にハウスメーカーごとの柔軟性や提案力を依頼前に確認しておくと安心です。

また、空模様や時間帯によって、交通量や周辺の街灯の数など新たな発見があるかもしれません。周辺環境を多角的に押さえたい方は、天候や時間帯を変えて土地を下見しましょう。

注文住宅の後悔ポイント4:【間取り&設計】

住宅の設計

注文住宅の間取りや設計に関する、後悔ポイントをご紹介します。

リビング

設計図面上では十分なリビングの広さと思っても、実際に暮らしてみると思ったより狭いように感じるといった声は少なくありません。また、家具を置いたらリビングが狭くなった方もいらっしゃいます。

ダイニングテーブルやソファ、テレビなどリビングは多くの家具や家電が置かれる場所です。

リビングをできるだけ開放的に、広くとりたい方は図面上の広さだけでなく、どのような家具家電を置くか、配置後の状況も考慮してリビングの広さを決めましょう

動線

動線が悪いと、家事の労力が増えます。例えば洗濯機と物干し、収納が共通の階にないと移送時間が長くなるため、非効率です。

家事は複数の仕事を同時並行するケースが多いため、家事動線が悪いと結果的に家事全体の作業効率が落ちます。

家事で歩く距離はできるだけ少なくできるよう、動線を考慮したつくりにしましょう。

窓の大きさや数に不満がある方も少なくありません。

例えば窓が小さすぎると、リビングが暗くなります。一方で窓が大きすぎるとカーテンをすべてオーダーメイドになる、窓自体の費用が高くなるなどがデメリットです。

明るさや解放感、防犯、プライバシーなど何を重視するかで必要な窓の数や大きさは変わります。

窓の種類や大きさは断熱性能にかかわるので、窓の大きさや数を検討する際には、自分がどのような住環境にしたいか、過去の例を参考にしながら具体的なイメージを元に決めましょう

コンセントやスイッチ

コンセントの使い勝手を考える際には、数だけでなくコンセントの配置を考慮することがポイントです。

コンセントは数が多ければ良いわけではありません。コンセントだらけだと、家具で隠れたり、使用しなかったりしてムダになります。

スイッチの位置も生活の利便性に大きく影響する要素です。例えばスイッチをリビングの中央部分のみに配置すると、照明の電気をつけるのに毎回遠くまで移動する必要があり、効率が悪くなります。

また様々な場所に分散されてスイッチがついていると、それぞれの場所で照明の操作をする必要が出てきて、動線の観点からも不便です。

コンセントがどこにいくつ配置されているかは、図面の段階では分かりにくい傾向にあります。マイホームでの生活や家具家電の配置を想像しながら、コンセントの位置を決めましょう

注文住宅の後悔ポイント5:【デザイン】

注文住宅の種類のイメージ

注文住宅のデザインに関する、後悔ポイント5つ目をご紹介します。

カーテン

両脇に飛び出している装飾があるような、少し凝ったデザインのカーテンレールは隣の壁に干渉したり、後からエアコンをつけにくかったりする可能性があります。

スチール製のシンプルなデザインなら問題ないケースがほとんどです。しかしカーテンレールのデザインや仕様などにこだわりたい場合は、設置スペースに余裕があるか事前に確認しましょう。

また種類によってはカーテンレールの下地を頑丈に広範囲で入れないと、設置ができないタイプもあるため要注意です。

このカーテンレールの問題は間取りプランや収納計画、図面作成時に考慮しなければ対応しにくい傾向にあります。こだわりのカーテンがある場合には、早めにハウスメーカーや工務店の担当者に相談しましょう。

床材

床は範囲が広く、部屋の機能性や印象を大きく変える要素の1つです。色だけでなく建材の機能性にも着目して選びましょう。

床は素材によって、耐久性の高さや肌触りの良さ、消臭効果、遮音効果、クッション性など、その特徴は多岐にわたります。小さなお子さまや室内飼いのペットがいらっしゃるご家庭のなかには、傷みやすい床材を選んでしまって後悔するケースもあるようです。

床は部屋の雰囲気だけでなく、体感温度や視覚的な広さなどにも影響します。床の色や質感などが思っていたものと違うと、インテリアともマッチしにくくなるかもしれません。

床材を選ぶ際には、床単位で考えるのではなく、部屋全体のバランスを考えて決めましょう。値段もブランドや機能性などによって異なるため、事前によく確認したいポイントです。スマートフォンやパソコン画面、カタログだけで決めずに、住宅展示場に行って実物のサンプルを見ながら情報収集することをおすすめします。

壁紙

壁紙も床と同様に、部屋全体のイメージに影響する要素です。小さなサンプルで確認すると、実際のイメージが異なる場合もあるため、なるべく大きなサンプルで確認しましょう。明るい色は広い面積で見るとより明るく、暗い色はより暗く見える特性があります。サンプルと実際での齟齬を生まないコツとして、明るい色は一段暗い色を、暗い色は一段明るい色を選びましょう。

壁紙は面積が大きい分、ランクを落とすと予算を削れます。しかし、深く考えずに選ぶと安っぽく見えかねません。センスが問われる部分でもありますので、知識や経験の豊富なハウスメーカーや工務店の担当者にアドバイスをもらいながら、一つずつ丁寧に決めていきましょう。

特にお子さまがいらっしゃるご家庭では、ライフスタイルの変化にも配慮が必要です。子ども部屋専用に可愛らしい壁紙を使用しても、子どもが大きくなったり部屋の使い方が変わったりした際に、張り替えたくなるかもしれません。

また流行色の使用にも注意が必要です。新築時はベストに感じても、時間が経過するにつれて時代遅れな印象になる可能性があります。壁紙を選ぶ際には、ライフスタイルの変化や流行などに左右されないものを選ぶと、長く愛着をもてる家になるでしょう。

タイル

壁紙だけでなく、タイルでも多いのが、「色選び」の失敗です。タイルは外壁のアクセントや玄関口などでよく使用されますが、色選びを間違えると、外観と合わなかったり汚れが目立ったりして、後悔につながります。

玄関タイルは家の中のインテリアと外観の両方に合うよう考えなければいけないため、難しい要素です。完成間近の状況で投げやりに決めてしまわずに、最初の段階から細部の配色にも配慮するとよいでしょう。

タイルは色だけでなく、材質によって汚れやすさや掃除のしやすさは違います。例えばザラザラした素材は滑り止め効果があるものの、靴についた泥やホコリなどの汚れがつきやすいうえに、掃除がしにくい点がデメリットです。

タイルは見た目や利便性に関わる部分ですので、素材の特性や全体のイメージなどをよく考慮して選ぶ必要があります。

注文住宅の後悔ポイント6:【設備】

IHヒーター

注文住宅の設備に関する、後悔ポイントをご紹介します。

キッチン

キッチンは使用頻度が高いため、よく考えて設計しないと後悔が多くなりがちな場所です。

先ずは一番使う奥様の使いやすい高さにすることが一番です。高さの合わないキッチンは奥様の疲労蓄積の原因になります。

理想の高さは以下の方法で計算できます。

理想の高さ 身長÷2+5cm

また、他によくある後悔ポイントとして、キッチンの収納を活用しきれていないケースが挙げられます。具体的には、収納の高さや奥行きがありすぎて調理器具や食材、調味料などの出し入れがしにくい、収納の中が暗くて見えにくいなどです。

このような失敗を避けるには、収納したい物の種類や量に合わせた収納スペースを確保する必要があります。収納物が多くなりそうな方は、パントリーを作って引き戸で仕切ると、収納力がアップし、スッキリとした印象を与えることが可能です。

また、キッチンでは家電を多く使うため、コンセントの位置が悪くて使いにくいとストレスになります。

例えばコンセントの位置が高すぎたり低すぎたりすると、作業効率が落ちて不自由に感じるでしょう。特に冷蔵庫やオーブンレンジなどはコンセントの位置が設置場所になるため、慎重に決める必要があります。

失敗を避けるためには、設計段階からキッチンで使う家電を全て洗い出し、それぞれの家電が使いやすい位置にコンセントを配置するようにしましょう。

またゴミ箱を置くスペースも配慮が必要です。ゴミ箱を置く位置を決めていないと、動線を遮ったり、不衛生になったりします。忘れやすいポイントですので、使いやすく目立ちにくい場所をあらかじめ確保しておきましょう。

キッチンは種類もメーカーも豊富なため、どれを選べばいいか悩む方は多いのではないでしょうか。
イシカワでは、一般的なシステムキッチンだけではなく、洗練された高級感あふれるデザインとコストパフォーマンスの高さが魅力の「グラフテクト(GRAFTECT)キッチン」もお選びいただくことが可能です。

自由度やデザイン性にこだわりたい方にはおすすめですので、特徴や詳細は下記の記事を併せてご確認ください。

お風呂

お風呂に入る際のイメージだけでなく、掃除のしやすさも大切です。浴槽や壁の色や素材の中には、汚れが目立ちやすく掃除しにくいものがあります。

カビの生えやすい床や壁、棚、鏡の継ぎ目などに施工してあるコーキングをできるだけ少なくし、シンプルなデザインにすると掃除しやすくなるでしょう。また温風を出す機能が付いた浴室乾燥機を設置すると、湿気が生まれにくくなるため、カビ抑制の効果が期待できます。

お風呂の扉には、折れ戸や開き戸、引き戸など様々な種類があり、それぞれ特徴が異なります。それぞれのメリット・デメリットを理解して選ばないと、毎回お風呂に入るたびに後悔しかねません。

また、お風呂の窓は、採光や換気などの点でメリットがあります。しかし窓がなくて失敗するケースより、「窓をつけたけれど不要だった」という声の方が多いようです。

プライバシーを守るためにお風呂場の窓はスリガラスにしたけれど、シルエットが外から微妙に見えたり、また窓自体を死角に配置したことによって防犯性が下がってしまったなどの事例もあります。

基本的にお風呂は夜に入る方が多いため、浴室の自然採光は優先順位としてはあまり高くありません。窓を設置する際には、メリット・デメリットや他の選択肢なども検討しましょう。

オール電化

オール電化は火を使わない安全性の高さや、ガス工事が必要ないなどのメリットがあります。しかしライフスタイルによっては、光熱費が高くなる可能性があるため、要注意です。

オール電化の料金プランは夜間電力が割安でも、昼夜の電気料金は通常プランより高めに設定されていることが少なくありません。

日中に設備機器を使用する時間が長いご家庭ではオール電化にすると光熱費が高くなるため、各電気会社の料金プランを事前によく比較検討しましょう。

またオール電化に不可欠なエコキュート(自然冷媒ヒートポンプ給湯器)に関しても、注意点があります。

例えば本体サイズがかなり大きいため、設置場所を広く確保する必要がある、夜間の運転音が大きい、水道の水圧が下がるなど、一般的な電気温水器やガス給湯器とは異なる特徴がある点です。

機種によって機能性や特徴は様々なため、設置前に施工会社やメーカーに確認しましょう。

注文住宅の後悔ポイント7:【収納】

収納

収納スペースが足りず、不便に感じる失敗例は少なくありません。例えばリビングや玄関収納、ウォークインクローゼットなどは収納不足になりやすい場所です。

ものが溢れかえる状態になると、生活感が出てしまったり、部屋が狭いと感じられたりします。今ある物の量だけでなく、これから先、物が増える可能性も見越して、余裕のある収納スペースを確保しましょう。

リビングに収納スペースを作って部屋が狭くなるのを避けたい方は、前述のキッチンでもご紹介した、パントリーの活用がおすすめです。パントリーは食品庫としてだけでなく、リビング収納としても活用できます。キッチンとリビング両方からアクセスしやすい動線に配置すると、より使い勝手が良くなるでしょう。

注文住宅の後悔ポイント8:【気密&断熱性能】

高気密高断熱のイメージ

注文住宅の気密や断熱性能に関する、後悔ポイントをご紹介します。

結露

寒い地域での生活で重視したいのが気密性や断熱性能です。しかし、気密性や断熱性能が高い家は換気をうまく行えないと、屋内の気温差が生まれ、湿気が室内にこもり結露によるカビやダニ発生の原因になります。

また気密や断熱性能に欠陥がある家は、暖かい空気がすぐ外に放出されるため、暖房費が高くなる点もデメリットです。

外からでは見えない壁の内部で結露が発生すると、知らない間に家の土台や柱などの建材を腐らせる危険性があります。

結露による失敗を防ぐには、断熱性能を高めることがポイントです。屋内と屋外との熱の出入り(熱貫流率)が、床(基礎)・壁・天井(屋根)でどれくらいあるのかは「UA値」で算出できますが、この数値が低いほど断熱性能が高いとわかります。

また、住宅の気密(隙間の面積)を示す値は、C値です。このC値が1以下を「高気密住宅」、0.5以下を「超高気密住宅」と呼びます。住宅展示場で住まいの情報を調べる際には、UA値やC値などに着目しましょう。

電気代

気密性や断熱性が低い家は、電気代がかかる可能性にも要注意です。

家に隙間が多いと、色々な箇所から空気が出入りし、換気のコントロールができません。屋内外の温度差で換気が逆流するため、温めた室内の空気が給口から勝手に漏れだします。

気密性や断熱性が上がると、冷暖房機器の使用頻度や使用時間が減るため、電気代のコストは長く住むほど大きくなるでしょう。

しかし断熱性の高い家は、エアコンを夏は冷房28℃、冬は暖房20℃の設定温度でも快適に過ごせると言われます。

国土交通省の調査でも明らかにされた通り、昭和期に多く建てられた無断熱住宅と比べて、現在の省エネ基準に則ったレベルで断熱した住宅は、冷暖房のエネルギー削減が可能です

高気密高断熱の家にするのは大前提ですが、窓をムダにつけない、気密性の悪い引違い窓を極力減らす、断熱性能を兼ね備えたカーテンを取り付けるなどの対策もあわせて考えましょう。

参考:住宅・建築物の低炭素化に向けた現状と今後の方向性|国土交通省

注文住宅の後悔ポイント9:【庭&外構】

注文住宅の外観

注文住宅の庭や外構に関する、後悔ポイントをご紹介します。

植栽

シンボルツリーは家族の成長記録になります。しかし樹木の種類によっては落葉したり花が咲いたりするため、シーズンを終えると清掃が面倒な場合もあります。どんな木の種類を植えるかは良く検討しましょう。

また、木を植える場所にも要注意です。例えば隣家の境界をまたいで木を植えてしまうと、枝が隣家のエリアに入ったり、落ち葉が落ちたりして迷惑をかける可能性があります。

トラブルを避けるために剪定するにしても、木が大きくなって自力で剪定できなくなると業者に依頼するのはコストも手間もかかります。自分の敷地内のスペースで、余裕をもって成長できる木を選ぶよう、丁寧な計画が大切です。

また広々とした庭は、アウトドアライフを充実させたり、家族との時間を楽しめたりと多くのメリットがあります。ただし庭を大きく取りすぎると、フェンスやレンガなど間仕切りに資金がかかったり、草刈りの手間がかかったりして後悔しかねません。敷地が広いと税金もその分かかるため、よく心得たうえで庭を取り入れましょう。

カーポート

カーポートを設けると、夏の強い日差しや雨、雪、汚れなどから車を守れる点がメリットです。

しかし、カーポートのサイズが小さいと設置しても車が汚れやすくなります。また黄砂や台風など、不特定な方向からの汚れにはカーポートはあまり効果がありません。

車の汚れを防ぐためにカーポートを設置する場合は、その点を踏まえたうえでできるだけ大きなサイズのものを選びしましょう。庭のサイズや予算に余裕があるなら、車の1.5倍以上の大きさをおすすめします。

ただし玄関前に大きなカーポートを設置すると、宅配の人が通りにくくなったり、車を停める幅が狭くなったりする可能性があるため、設置場所には要注意です。

そのほか、人によっては雨が天板に当たる音がうるさいと感じる方や、季節や陽の差し方によっては全体的に暗くなるのが嫌だと感じる方もいらっしゃいます。

雨音に悩んでいる場合は、金属製ではなく雨音が静かな種類の樹脂製を選びましょう。可能な限り陽の光が入るよう、カーポートの天板の色合いや柱の太さ、配置なども考慮すべきポイントです。

カーポートには間口が広いものも含めて、豊富な種類やサイズ、素材があるため、ハウスメーカーや工務店の担当者に相談しながら進めてみてください。

プライバシーを守るために塀(目隠しフェンス)の設置を検討される方も多いでしょう。しかし高さや外回りの設置範囲、製品の種類選択を間違えると、思ったよりも目隠しにならないかもしれません。
一般的に隣家や道路との高低差によって、1.5~2mの塀が必要と言われます。しかし図面だけで必要な塀を計画判断するのは困難です。隣家の建物の高さによっては、さらに高い塀がないとプライバシーを確保できないかもしれません。

限られた予算のなかで目隠しフェンスを設置する場合、選べる種類はどうしても限定的です。安いからという理由で決めると、光が入りにくくなって暗くなったり、適切な範囲や高さが確保できず、防犯効果が薄くなります。

適切な塀の高さや範囲を確認する場合は、事前に現地に立って隣家の窓や庭などの位置を測定し、どこまで塀が必要なのか適切な高さや範囲などを具体的に割り出してみましょう。

また目隠しフェンス本体の色は、引き締まるダークブラウンやブラックでも良いですが、圧迫感を出したくない場合は、ライトブランやシルバーなど明るめや軽めの色もおすすめです。

塀は経年劣化によって汚れや変色が生じる可能性にも注意です。例えば真っ白よりもライトグレーを選ぶ、撥水効果の素材にするなど配慮すると、ある程度経年による汚れ対策ができるでしょう。

塀を作る際は、できるだけ敷地を広く使うために、隣地境界ギリギリで計画するケースがほとんどです。しかし、境界の認識が曖昧なまま工事を進めると、後から越境しているとわかった場合にやり直しが必要になる可能性があります。

お隣さんとの意図せぬトラブル発生を防ぐためにも、工事前にしっかりと境界線の認識を確認する、工事中に配慮するなど近隣に迷惑にならないための配慮も必要です。

まとめ

暮らしのポイント

憧れの住まい実現に向けて、盛り込みたい設備や機能は数多くあるでしょう。しかし今回の記事でご紹介した通り、実際に住んでみないとわからない部分は多くあります。一度家を建てたらなかなか後戻りできないからこそ、過去の失敗談をできるだけ多く知って、ご自身の住まいづくりの教訓として活かすことが大切です。

業者によっても、住まいづくりの満足度は大きく変わります。理想のマイホームを成功させるためにも、実績と経験が豊富な信頼できるハウスメーカーや工務店に依頼しましょう。

イシカワは、長年培った高い技術力と豊富な経験をもとに長く快適な暮らしができる住宅づくりを目指し続けています。展示場ではお問い合わせやご相談も可能です。ぜひイシカワの展示場にお越しください。

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この記事の担当:
イシカワ家づくり編集部

断熱や耐震など、最新の家づくりに役立つ知識をお届けします。みなさまの家づくりの参考にぜひご覧ください。