家づくりの知識

2023.06.30

全館空調のデメリット|新築に導入すると後悔する理由と対処法を徹底解説。

全館空調の導入を検討する際、メリットだけでなくデメリットも知っておきたい人は多いのではないでしょうか。

空調の快適さは、毎日の生活の質に関わる重要な要素です。納得のいく家づくりを進めるためにも、後悔しないためのポイントを理解しましょう。

結論からお伝えすると、全館空調を導入する際には、以下のようなデメリットがあります。

▼全館空調のデメリット
・初期費用やランニングコストが高い
・部屋ごとの温度調整が難しい
・空調を停止すると換気も止まる

こうしたデメリットも新築の段階で導入を検討し、換気システムを導入するなどの対策を打つことで解決することができます。
これらのデメリットを事前に理解し、適切な対策を講じることが、快適な全館空調を実現するためには必要です。

この記事では、全館空調のメリット・デメリットに加え、導入後に後悔しないためのポイントを詳しく解説します。注文住宅で全館空調の導入を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

【この記事の結論】
・全館空調システムの力を最大限活かすには、高気密高断熱の家であることが大前提
・初期導入コストは高くなるが、長期的にみれば光熱費を抑えられるため、長期的にはお得になる
・光熱費の他にも、快適さや健康面でのメリットから、全館空調を導入するケースが増加している
・導入後に後悔しないためには、性能の高い24時間換気の設置や、窓の日射や遮熱・断熱の考慮、信頼できる業者への依頼などがポイント

全館空調(全館空調システム)とは?

全館空調の室内

全館空調は、ダクトなどから暖気や冷気を放出し、家全体の温度を管理する仕組みのことです。

全館空調ではない場合は、エアコンや暖房装置が設置された部屋だけを温めたり冷やしたりしていましたが、全館空調の場合は、ひとつのシステムで複数の部屋やエリアをまとめてコントロールできます。

また、快適な室内環境を維持するために、24時間換気やフィルターによる空気浄化などの機能を有している点も全館空調の特徴です。メーカーによっては、一つのコントロールパネルやスマートフォンのアプリから、各部屋の温度や湿度を調整できるものもあります。

全館空調と全館空調システムは違う

全館空調といっても、「全館空調」と「全館空調システム」は別の用語になります。注意しましょう。

全館空調は、家全体を一つの空間として捉え、温度ムラを少なく快適な空間にすることを目的とした考え方です。高気密高断熱の住宅で、少ないエアコン台数で家全体を冷暖房する手法などがこれに当たります。

一方、全館空調システムは、家全体を空調するための専用の設備を指します。一般的には、1台のエアコン室外機と複数の室内機をダクトでつなぎ、家全体に冷暖房を供給するシステムです。

全館空調もの種類

全館空調を実現するための方法として、全館空調システムの導入が一般的ですが、必ずしもシステムの導入が必要なわけではありません。高気密高断熱住宅であれば、エアコンを適切に配置・運用することで、全館空調を実現することも可能です。

全館空調の仕組み

全館空調には、ダクト式、エアコン方式、床下冷暖房方式の3種類があります。

ダクト式は、空調機からダクトを通じて各部屋に冷暖気を送る方式で、温度ムラが少ないのが特徴です。

エアコン方式は、高気密高断熱住宅で少ない台数のエアコンを使用する方式で、初期費用を抑えられます。

床下冷暖房方式は、床下空間を利用して冷暖気を送る方式で、省エネ効果が高く、温度変化が緩やかです。ただし、即効性がないことや空気清浄機能がない点に注意が必要です。

全館空調の仕組み

どの方式を選ぶかは、住宅の構造や予算、求める快適性によって異なります。

全館空調のデメリットと後悔する理由

全館空調を使えば、快適な室内環境を維持できます。しかし、コストや細かな性能面にデメリットはないのでしょうか。そこでここでは、全館空調でよく指摘される、以下のデメリットを解説します。

▼全館空調のデメリットと後悔する理由
・導入コストが高い場合がある
・電気代やメンテナンス費用が高い場合がある
・冬場は空気が乾燥しやすい
・部屋ごとに温度の微調整ができない

それぞれ詳しくみていきましょう。

導入コストが高い場合がある

全館空調システムを設置する際には、複雑な配管やダクトの設置が必要です。専門的な施工や設計が必要な分、導入時に人件費や資材費が高くなる傾向があります。

また、AIを搭載しているような高精度な空調制御を導入する場合、機器そのものが高額になる可能性に注意が必要です。

ただし、長期的な視点からみると、省エネ効果により、初期費用を上回るコスト削減になることが多いです。
さらに快適性や健康の観点からも、多くのメリットがあります。また最近の全館空調システムは、家庭向けの需要が増え、以前よりも手ごろな価格で導入できるようになりました。

全館空調システムを導入する場合、初期費用が高くなる可能性はありますが、将来の快適さやエネルギー効率の改善により得をすることが多いので、予算に合わせて検討してみてください。

電気代やメンテナンス費用が高い場合がある

全館空調システムは、家中の部屋を同時に冷暖房する仕組みをとっているため、必要最小限の部屋だけを冷暖房していた場合よりも光熱費が増加する可能性があります。

ただし、複数の冷暖房機器で各部屋を冷暖房するよりもエネルギー効率が高くなるため、基本的には省エネルギーになる傾向があります。
その場合、前提として高気密高断熱の住宅であることは不可欠です。

また、全館空調システムで使用する空調機の寿命は一般的に10年未満とも言われており、フィルターの交換やダクトの掃除、機器の定期点検など、継続的なメンテナンスが必要です。
ただし、通常のエアコンも同様に寿命があり、清掃などメンテナンスは必要です。全館空調システムの場合も通常のエアコンを使用し、業者不要の簡単なメンテナンスで対応できる製品もあるので、全館空調システムを取り入れる際にはメンテナンス方法を確認してください。

通常のエアコンもメンテナンスを怠ると、無駄なエネルギー消費が生じ、無駄な電気代がかかってしまうかもしれません。

イシカワは住宅の気密・断熱性能を高め、通常のエアコンを使った全館空調を採用しています。設置台数も少なく済みますし、電気代も通常より安くなり、システムを維持するための特別な費用は不要です。

イシカワの全館空調の電気代についてはこちらの記事もご参照ください。

冬場は空気が乾燥しやすい

全館空調システムは、部屋全体の温度制御に優れていますが、湿度に関しては限定的な機能しかもっていません。

したがって、冬場に全館空調システムを暖房として使うと、加熱された空気は湿度を奪い、乾燥を引き起こす可能性があります。

室内の相対湿度が低下し、乾燥した空気が循環すると、以下のような健康被害が生じかねません。

・肌荒れ・かゆみ
・のどの痛み
・鼻づまり
・アレルギーや花粉症などの症状の悪化
・感染症リスクの増加 など

快適な室内環境を保つには、適切な湿度・温度管理が重要です。
全館空調システムを導入する際には、湿度調整をするために、追加で加湿器を別途導入する必要があると理解しておきましょう。

部屋ごとに温度の微調整ができない

全館空調システムは、家全体の温度を一括してコントロールする仕組みをとっています。これは部屋ごとの温度管理の手間が省けるメリットがある反面、部屋ごとの温度を微調整できないデメリットがあるとも言えるでしょう。

部屋の利用目的やその場所にいる人数、日射量などの条件によって、快適な温度は部屋ごとに異なります。しかし全館空調システムでは、部屋ごとの状況に応じた、柔軟な対応ができません。

例えば、二世帯住宅やLDK(リビング・ダイニング・キッチン)など、異なる空間での局所的な温度設定が難しい場合が多いです。

家族の体質や体調などによっても、体感温度は変わります。しかし、全館空調システムでは全ての居住者の要求に完全に応えることは困難です。特定の部屋やエリアに異なる気温を提供する際には、個別の冷暖房機器が必要になります。

全館空調のメリットとは?

全館空調を導入すると、さまざまなメリットがあります。ここでは、以下の代表的な6つのメリットを解説します。

▼全館空調のメリットとは?
・家中が快適な温度に保たれる
・光熱費が安い
・空気環境がきれいになる
・メンテナンスの手間が少ない
・室内の見た目がすっきりする
・間取りの自由度が上がる

それぞれ詳しくみていきましょう。

家中が快適な温度に保たれる

全館空調システムは、部屋ごとの温度差を最小限に抑えられます。夏場の暑さや冬場の寒さを我慢することなく、1年中快適な温度で過ごせる点がメリットです。

一般的な住宅にエアコンを設置して室内温度をコントロールしようとする場合、エアコンを設置した部屋と設置しなかった部屋とでは、室温に大きな差が生まれていました。また、気温や季節に応じてエアコンの使用頻度を調整しなければいけない点も手間でした。

しかし、全館空調は、家全体の温度を均一・一定に管理できる仕組みがあり、熱のムラや寒暖の差が少なくなり、どの部屋にいても快適な温度で過ごせるようになります。。例えば、家の2階まで全館空調を導入することで、上階と下階での温度差が発生しにくく、家全体が快適な居住環境を実現することができます。

夏の暑い日や冬の寒い日も年中、住まい全体を適切な温度に保てるようになり、24時間365日快適な室内環境で過ごすことができるでしょう。

加えて、これまで冷暖房することが難しかった洗面脱衣室やトイレ、廊下なども含め、家中を均一で快適な温度を保つことができるため、体への負担が減り、ヒートショックを予防することもできます。

光熱費が安い

電気代は住宅の坪数などによって、変動します。全館空調は家中を冷暖房するので、広いお家だと光熱費が上がるのではないかと心配される方も多いのではないでしょうか。
しかし、高気密高断熱の家づくりと組み合わせて導入すると、エネルギー効率が高まるため、逆に光熱費を安く抑えることが可能になります。

その他、機器メーカーによっても、熱効率に関する機能は異なります。導入予定の機器の電気代が気になる方は、以下の3つのポイントを確認しましょう。

確認ポイント1. 最新技術を搭載したシステムか?
AI自動運転・人感センサーなどの運転機能がある場合は、時間帯や使用状況に応じて適切な温度設定を行うことが可能なので、電力の無駄遣いも減らせます。

確認ポイント2. エネルギー効果の高い技術を採用しているか?
熱効率の良いコンプレッサーや送風機などが組み合わさっている機器は、冷暖房時の電力消費を最小限に抑えられます。

確認ポイント3. HEMS(エネルギー管理システム)を採用しているか?
HEMS(エネルギー管理システム)を採用している場合は、以下のような対策を自動で行えます。

・エネルギーモニタリング
・データ分析
・温度設定・運転スケジュールの最適化
・エネルギー消費の傾向・パターンの把握

これらの管理システムを用いると、電力需要の抑制や冷暖房の運転調整、エネルギー使用量の平準化などができます。

全館空調を導入したいけれど、電気代がかかるのではと不安に感じている方は、ハウスメーカーの担当者にどのような性能をもつ機器を採用しているか確認しましょう。

全館空調の電気代についてはこちらの記事もご参照ください。

空気環境がきれいになる

一般的な冷暖房機器には、空気清浄の機能はありません。しかし、全館空調システムには冷暖房の機能に加えて、24時間換気システムを合わせて導入することが一般的ですので、家中の空気を新鮮で綺麗な状態に保つことができます。

換気システムによって新鮮な外気を取り込み、全館空調システムで建物内の空気を循環させ、常に新鮮な空気を部屋全体に供給できるからです。熱交換換気システムを導入すれば、熱損失を減らすことができるので、光熱費の無駄を減らすことができます。

また、メーカーや機種によってはフィルターで、花粉やPM2.5などの微小な粒子を集めて、室内の空気を浄化する働きがあります。特に、花粉の飛散が多いシーズンや、大気汚染が気になる都心部などで、快適な室内環境を確保したい人にとってはこの空気清浄機能は嬉しいポイントでしょう。

さらに、ハウスダストやタバコの煙、調理のニオイ、ペットのニオイなど、毎日暮らすなかで生じる様々なニオイも、24時間換気システムなら空気の流れを設計することで除去できる可能性があります。

このような理由で、全館空調システムを導入した家は、清浄な空気環境を保つことができるのです。
イシカワでは、全熱交換型24時間換気システムを標準仕様で設置します。静電気特殊フィルターで花粉や埃の他に微細なPM2.5も除去し、安心して暮らせる室内空気環境を実現いたします。

メンテナンスの手間が少ない

全館空調の方式によって、メンテナンスの方法は異なります。しかし、通常のエアコンと比べると、設置台数が減るため、全館空調システムではメンテナンスの手間が少なくなる点がメリットです。
エアコンやヒーターのように、複数の機器を個別に操作・メンテナンスする必要はありません。

さらに、全館空調システムは比較的誰でも簡単にメンテナンスできるように設計されています。そのため、メンテナンス作業やフィルターの交換などに専門的な技術は必要ないことが多く、通常のメンテナンスであれば、外部の業者に依頼することなく、お客様ご自身で対応できます。

室内の内観がすっきりする

全館空調システムを導入すると、室内の内観がすっきりとした印象になります。これは、内装やデザインを重視する方にとって嬉しいポイントでしょう。

床下や小屋裏に設置するタイプの場合、室内から目に見える部分といえば、壁や天井に設置される吹き出し口(ダクト)くらいなので、室内のデザインや内装を重視する場合にはオススメです。

また、室内に視覚的な統一感が生まれる点もメリットです。部屋ごとに設置されるエアコンやヒーターは、形状や色、デザインがバラバラになる場合があります。
しかし、全館空調システムでは吹き出し口(ダクト)のデザインを統一させることが可能です。これにより、室内の内観の一貫性を保ちながら、統一された美しい空間をデザインしたい方におすすめします。

間取りの自由度が上がる

間取りの自由度が大幅に向上する点もメリットのひとつです。通常のエアコンやヒーターは壁や窓辺に設置されることが多く、大きいスペースをとってしまうことが懸念事項でした。

しかし、全館空調システムは、一括で冷暖房を行うため、部屋ごとにエアコンやヒーターを配置する必要はありません。そのため、機器が大きく占めていたスペースの削減も可能です。

壁や天井にダクトや吹き出し口を配置する必要がありますが、見た目上は目立たないので、室内をすっきりと見せることができます。時期や季節、ライフスタイルなどに配慮しながら、間取りを自由に変えられるのはもちろん、インテリアの統一感やおしゃれな雰囲気なども出しやすくなるでしょう。
また、木造平屋の住宅でも全館空調を導入できるため、住宅の種類に関係なく日本の住宅で広く利用できる点もメリットです。

このように、全館空調を導入すると、居室のスペースを効率的に使えるようになります。

全館空調を導入する際にデメリットを解消する方法

全館空調システムの仕様やサービス内容などはメーカーによって様々です。この章では、全館空調を導入する際、特に注意したい以下のポイントを解説します。

▼全館空調を導入する際にデメリットを解消する方法
・性能の高い24時間換気を設置する
・熱の流出を防いで冷暖房の負荷を減らす
・新築する段階で導入検討する
・建物の窓や、外壁、屋根の断熱性能を担保する
・施工経験が多く、アフターフォローのある業者を選ぶ

それぞれ詳しくみていきましょう。

性能の高い24時間換気を設置する

換気をきちんと行っていないと、冷暖房された空気だけではなく、リビングなどの生活臭が家中に広がってしまう場合があります。
全館空調を導入する際には、性能の高い「24時間換気システム」を設置しましょう。

全館空調システムは24時間換気システムと混同しやすい言葉です。しかし、両者の意味は厳密には異なります。

24時間換気システムとは、窓を開けなくても外気を取り入れ、常に空気の入れ替えが行われる仕組みをもつ機器のことです。2003年の建築基準法改正により、24時間換気システムの導入は、全ての住宅で導入が義務付けられました。

24時間換気システムの導入が義務化された背景には、建築技術の進歩による住宅の高気密・高断熱化があります。

高気密・高断熱化には様々なメリットがある反面、気密性が高いため、建築資材に含まれるホルムアルデヒドの化学物質やダニ・ホコリが室内に溜まりやすくなる問題も表面化しています。
例えば、頭痛や吐き気などの健康被害を誘引する、シックハウス症候群の原因は、これらの化学物質が原因と指摘されています。

そのため、2003年の建築基準法改正によって、住宅に24時間換気システムなどの換気設備を設置することが義務化されました。

一方で、全館空調システムは24時間換気システムのように、法律で定められているものではありません。
しかし、24時間換気システムと連動した全館空調システムを選べば、建物内の空気の質をより高く維持し、シックハウス症候群を予防しながら、快適な暮らしが実現できます。

熱の流出を防いで冷暖房の負荷を減らす

全館空調の力を最大限に発揮させるには、家の気密断熱性を高めることだけではなく、窓の日射や遮熱・断熱への考慮も大切です。

例えば、以下の対策を行うことで、窓周りの熱の流出を防止できます。

・遮熱効果の高い複層窓
・断熱サッシ
・遮熱フィルム
・遮熱カーテン

また、窓周りだけでなく、建物の外壁や屋根の断熱性能を高めることも有効な対策です。

熱の流出に関して、どのように対策を講じているかは、業者によって異なります。
断熱性能の高い建材や断熱工法を採用している業者を選ぶことで、熱の流出を最小限に抑えられる家づくりが実現できるでしょう。

イシカワでは、屋根の下地部分に遮熱材を施工することで、断熱材だけでは防ぐことのできない太陽からの輻射熱を97%カットしています。

新築する段階で導入検討する

全館空調システムは、新築時に導入するのが最も効果的です。後付けで導入することも可能ですが、配管やダクトの設置工事が必要になるため、費用が高額になる傾向があります。

新築時に導入を検討することで、建築計画と合わせて最適なシステム設計ができ、コストを抑えることができます。また、新築時に導入することで、住宅の断熱性能を最大限に活かすことができ、ランニングコストの削減にも繋がります。

建物の窓や、外壁、屋根の断熱性能を担保する

全館空調のランニングコストを左右する大きな要因は、住宅の断熱性能です。断熱性能が低いと、冷暖房効率が悪くなり、多くのエネルギーを消費してしまいます。そのため、窓、外壁、屋根の断熱性能を高めることが重要です。

・窓
・外壁
・屋根

窓には、断熱性の高い複層ガラスやLow-Eガラス、断熱サッシを採用しましょう。窓は熱の出入りが最も大きい部分なので、断熱性能の高い窓を選ぶことで、大幅な省エネ効果が期待できます。外壁には、断熱材の種類や厚さを適切に選択し、隙間なく施工することで、外気温の影響を受けにくくなり、冷暖房効率が向上します。屋根には、屋根裏や天井に断熱材をしっかりと敷き詰め、屋根の形状や素材も断熱性を考慮して選ぶことが大切です。

施工経験が多く、アフターフォローのある業者を選ぶ

全館空調システムは、家全体の室温に関わる重要な要素です。断熱材の充填工事の際に、断熱材が十分に充填されておらず、隙間ができる状態を「断熱欠損」と言います。信頼できる施工会社を選ばなかったために、このような施工ミスによる断熱不足が発生するケースは少なくありません。

特に積雪寒冷の地域で家を建てる場合には、断熱欠損によって湿気が侵入し、結露やカビなどの影響が出る可能性があるため、注意が必要です。

全館空調システムを導入する際には、施工経験の豊富な業者を選び、アフターフォローが充実しているか確認し、お客様のニーズやご希望に合わせた提案をしてくれる業者を選ぶことが大切です。

まず、施工経験の実績が豊富な業者は信頼性の高い業者と言えるでしょう。

空調機器やダクト、制御システムを施工する際には、専門知識や技術が求められます。施工経験が豊富な業者は、適切な設計や施工プロセスを心得ているため、品質の高いシステムを提供できます。
最新の技術や省エネルギーの知識にも精通している業者を選ぶと、より効率的なシステムを導入できるでしょう。

また、施工経験と併せてチェックしたいのが、アフターフォローの充実度です。
特に、夏場や冬場などに故障やトラブルが発生した際には、迅速な対応と修理が求められます。

保証期間やアフターサービス、メンテナンスなどの内容は、業者ごとに変わってきますので、しっかりと事前に確認して信頼できる業者を選びましょう。

まとめ

全館空調システムは、初期導入コストが高くなる傾向がありますが、その後の光熱費など長期的な視点からみると、省エネ効果により、初期費用を上回るコスト削減になる方が多いでしょう。以上でご紹介したポイントとコツを押さえて適切に設置することで、快適さとコスト効率改善の両方を実現できます。

また、家中が快適な温度になり、ヒートショックなどの予防にもつながり、健康面でもメリットが多いです。
ここ数年では、導入されることが増え、一般的になってきています。

ただし、全館空調システムといってもその種類や仕組みは様々です。木造住宅に全館空調を設置する場合、施工者の専門性が低いと、建築基礎や構造に関連する課題が生じることがあります。依頼先の工務店やハウスメーカーがどのような機器を採用しているか確認すると、性能や機能面での認識の違いを防げます。

イシカワは、標準仕様で温度・湿度が均一で空気を浄化する全館空調システム「ブローボックス」を導入できます。ブローボックスには以下のようなメリットもあるため、おすすめです。

・24時間を通して快適な温熱環境を実現できる
・交通事故よりも多い死因である「ヒートショック」を抑制できる

また、太陽光発電搭載と昼間電力無料システム採用なら冷暖房費は実質無料になります。
全館空調の導入をご検討の方は、ぜひイシカワのブローボックスの家をご検討ください。

全館空調システムの導入や、高気密高断熱の家づくりをご検討の場合は、イシカワの展示場(モデルハウス)でも無料でご体感いただけますので、ぜひこの機会にご来場ください。

イシカワの展示場予約はこちら>

この記事の担当:
イシカワ家づくり編集部

断熱や耐震など、最新の家づくりに役立つ知識をお届けします。みなさまの家づくりの参考にぜひご覧ください。