イシカワ流・間取りの工夫
株式会社イシカワがお届けする、住まいづくりのための特別コラムです。
せっかくの新築やリノベーション。「広々としたリビングで、常にスッキリした暮らしを送りたい」と誰もが願うものです。しかし、現実は「モノが多くて片付かない」「収納場所は作ったはずなのに、なぜか散らかる」といった悩みが絶えません。
実は、収納の成否は「スペースの広さ」ではなく、「仕組み」と「ルール」で決まります。今回は、イシカワが提唱する収納の3原則「定位置・買わない・捨てる」を軸に、リバウンドしない暮らしを実現するための間取りの工夫を徹底解説します。

第1原則:すべてのモノに「定位置」を与える――「住所」のないモノが迷子になる

片付けがうまくいかない最大の理由は、使った後に「とりあえず」その辺に置いてしまうことにあります。モノに決まった「住所(定位置)」がないと、片付けるたびに「どこに置こうか」と脳が判断を強いられ、それが負担となってリバウンドを引き起こすのです。
- 「使う場所の最短距離」を定位置にする
イシカワの間取り設計では、「動作動線」に基づいた定位置の設定を重視します。例えば、リビングで使うリモコン、爪切り、体温計などは、使う場所のすぐ近くに収納場所を設けます。 「Out of sight, out of mind(視界から消えると忘れる)」ということわざがある通り、扉の中にしまい込むと存在自体を忘れてしまい、同じモノをまた買ってしまうという悪循環に陥りやすくなります。そのため、日常的に使うモノは、出し入れしやすい「ゴールデンゾーン(床上60〜150cm)」に定位置を確保することが鉄則です。 - ラベリングで「家族全員」がわかるようにする
自分だけが定位置を知っていても、家族が戻してくれなければ意味がありません。イシカワでは、収納内部に可動棚を多用し、ボックスごとに中身をラベリングすることを推奨しています。これにより、子供でも「どこに戻すべきか」がひと目で分かり、家事の負担が劇的に軽減されます。

第2原則:収納するためのモノを「買わない」――「7割収納」のゆとりが生む美しさ

「収納が足りないから、新しい棚や収納ボックスを買おう」と考えるのは、実は収納における「失敗の入り口」です。収納グッズを買い足す前に、まずは今あるスペースを最大限に活かすことが重要です。
- 収納スペースの「3割」は常に空けておく
パンパンに詰め込まれた収納は、出し入れがしにくく、奥にあるモノが「ガラクタ化」する原因となります。イシカワ流のルールでは、収納スペースの「7割」しか使わないことを推奨しています。 残りの3割の余白があることで、急な頂き物や一時的な買い置きにも対応でき、部屋にモノが溢れるのを防ぐことができます。 - 「とりあえず箱」がガラクタを増やす
収納ボックスや引き出しにきれいに並べることは一見「美しい収納」に見えますが、実 は「使わないモノをきれいに保管しているだけ」というケースが少なくありません。 イシカワの間取りでは、安易に収納家具を買い足さなくて済むよう、「造り付け収納」を戦略的に配置します。既製品の家具と違い、天井までの空間を無駄なく使え、掃除の手間も省けます。

第3原則:定期的に「捨てる(断捨離)」――収納するより捨てるほうが楽

モノを減らす一番の方法は、「収納のテクニックを磨くこと」ではなく、「不要なモノを家から出すこと」です。収納するクセを捨て、捨てるクセをつけることが、ミニマリズムへの近道となります。
- 「1年ルール」と「保留ボックス」の活用
「いつか使うかもしれない」というモノの9割は、二度と使われません。イシカワが提案するのは、「四季を一巡して使わなかったモノは手放す」という1年ルールの徹底です。 どうしても迷う場合は「3ヶ月保留ボックス」を作り、日付を書いて封印します。3ヶ月間一度も開けなければ、それは「なくても生活できるモノ」として処分を検討しましょう。 - 「見えなくなる」ことの危険性を知る
扉付きの深い収納は便利ですが、奥に押し込んだモノは存在を忘れられ、死蔵品となります。イシカワでは、あえて「見せる収納(オープン棚)」を間取りの一部に取り入れることを提案しています。 常に視界に入ることで、「本当に必要なモノか?」という問いかけが日常的に行われ、モノが増えすぎるのを抑制する心理的効果が働きます。

イシカワ流・間取りの工夫――3原則を定着させる空間設計

これらの3原則を無理なく、自然に実践できるようにするのがイシカワの間取りプランニングです。数多くの図面分析から導き出された、後悔しないための具体的な工夫を紹介します。
① リビング:壁掛けテレビ+造り付けテレビボードの相乗効果
分析データによると、造り付けテレビボードの設置率は全体のわずか16%です。多くの家庭では既製品を置いていますが、これでは配線がごちゃつき、掃除もしにくくなります。 イシカワでは、「壁掛けテレビ+フロア浮かせ型の造り付けボード」をお勧めします。足元を浮かせることで掃除機がかけやすく、DVDやゲーム機などの「定位置」が明確になります。さらに、テレビ裏に「隠し収納スペース」を設けることで、季節家電や掃除機などの大きなモノも、リビングの雰囲気を壊さずに「捨てる・残す」の管理がしやすくなります。
② キッチン・ダイニング:2%の潜在ニーズ「キッチン前収納」
キッチン本体の背面収納は充実していても、「キッチン前の空間」を有効活用できている家庭は、わずか2%しかありません。 ダイニングテーブル横に可動棚を設ける「キッチン前造り付け収納」は、家族共有の書類や子供のプリント類、おやつなどの「定位置」として最適です。扉付きにすれば、急な来客時も生活感を一瞬で隠せます。ここにLDKで使うモノを集約させることで、「買わない・増やさない」意識が定着します。
③ ワークスペース:カウンターと壁面収納のセット設計
在宅ワークやお子様の学習用として人気のカウンターですが、単に「机」を作るだけでは、すぐに書類の山になります。 カウンターの正面や側面に「可動棚の壁面収納」をセットすることで解消されます。PC周辺機器や文房具をその場でサッと片付けられる動線を作ることで、机の上が常にリセットされ、多機能なリビングを維持できます。
④ 将来を見越した「可動性」の確保
新築時は夫婦二人でも、子供の成長と共にモノは劇的に増えます。 固定された棚ではなく、「レール式の可動棚」を家中に配置することで、5年後、10年後のライフスタイルの変化に合わせて、収納のカタチを柔軟に変えることができます。これは「余計な収納家具を買わない」ための、最も賢い先行投資です。

最後に――快適な暮らしは、図面を引く前の「計画」から始まる

後悔しない住まいづくりのためには、建築図面が完成した後に収納を考えるのではなく、間取りを決める段階で「何を」「どこに」「どのように」収納するかを具体的にイメージしておくことが不可欠です。
イシカワの収納3原則「定位置・買わない・捨てる」は、単なる片付けのテクニックではありません。それは、家族がストレスなく、笑顔で過ごすための「暮らしの哲学」です。
私たちは、お客様一人ひとりの生活動線を丁寧にインタビューし、そのご家族に最適な「収納の間取り」をご提案します。ぜひ、今回の記事を参考に、モノに支配されない、スッキリと整った理想の住まいを私たちと一緒に作り上げましょう。
ご相談は、お近くのイシカワ展示場までお気軽にお越しください。お客様の理想を形にするプランをご用意してお待ちしております。
以上


